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産経新聞 2001/12/12
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ひょうご仮想塾

奉仕への対価「バーチャルなお金」

ボランティアの対価として支払う「エコマネー」が話題になっている。全国各地でさまざまな試みが実施されているが、姫路市では十月六日から十二月九日まで、インターネット上での導入実験が行われた。電脳空間でのエコマネーが切り開く世界とは─。同市におけるエコマネー計画、姫路ITエコマネーアクション「千姫プロジェクト」事務局に携わる姫路工業大学環境人間学部の岡田真美子教授に話を聞いた。

エコマネーって何?

★1時間目 エコマネーとは

── 「エコマネー」とは何でしょうか
岡田 ものが買える「リアルなお金」に対して「バーチャルなお金」─ サービスを評価する単位という意味です。例えば、だれかのために一定時間ボランティアをすれば(姫路の場合では)三十分で千「姫」というように善意のやり取りをしてもらうことです。具体的には、「私はこういうサービスができる」「私はこんなサービスをしてほしい」という内容がメニュー表で示され、そこにエコマネーでの値段がついていて、各人ができることに対してボランティアを行うという仕組みです。もともとは経済産業省の加藤敏春さんの提唱によるもので、平成九年ごろから始まり、全国約百カ所で実験が行われています。

── 今までの実験例ではどのようなものですか
岡田 代表的なものでは北海道の栗山町です。会員を決めたうえで、紙にボランティアの内容を書いたメニュー表を作り、「クリン」という単位の紙幣も作って配布します。サービスの内容などについては、土地柄「雪かきをします」というものから「おもちゃが壊れたの直してください」までさまざまなものがあります。同町からメニュー表の量も豊富で電話帳くらいの厚さがあるそうです。

★2時間目 IT化の特色
── 姫路での実験ではインターネットを用いていますが、どのようなメリットが?
岡田 「増殖できる」という点が、IT化での一番のメリットです。これまでは、参加メンバーやボランティアの内容を示したメニュー表、紙幣などを事前に準備しなければならず、その後人数やメニューは増えることがありませんでした。ですが、やりとりを完全にネット上で行うことで途中参加が可能になり、ボランティアのメニューも容易に増やせるようになりました。また、紙幣の流通も電子マネーで行われるようになった点も大きいです。

── 登録などに際して一連の流れは?
岡田 名前とハンドルネーム、Eメールのアドレスなどを入力して、事務局である「千姫プロジェクト」の会員になってもらいます。IDとパスワードが記された「隊員証」を受け取ったら、自分ができること、してほしいことを記した掲示板を見て、Eメールを通して交渉。ボランティアすることで、エコマネーの通貨である「姫」のやりとりをしてもらうのです。

★3時間目 目指すものは

── エコマネーが普及する先には何があるのでしょうか
岡田 ひとつの例として、ボランティアを通じて、善意のつながりをひろげていくことにあると思います。地域のつながりの再構築を目指すとも言えます。自分ができないこと、できることを互いに補いあっていくことで、新しい何かが生まれるのではないでしょうか。何が生まれるかは全くの未知ですが。

── 今回の実験において何か具体的な例は
岡田 会員から聞いた話ですが、化粧の仕方を研究している主婦の方がおられて、友人がテレビに出演するので、メークを担当したところ、評判がものすごく良かったんです。それを機に、エコマネーに参加したら「化粧を教えてほしい」という若い人たちの問い合わせがあって、メーキャップサロンで手ほどきをしてくださったそうですよ。サロンの会場を貸してくださったのも会員の方です。このように、普段は気づかないような、人それぞれの才能を発掘するきっかけづくりも、エコマネーは秘めていると思いますね。


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