────────────
京都新聞 2002/07/18
────────────

【同志社大 <─> 地元地住民 域通貨で交流育って 京田辺】
高齢者の送迎 受験勉強手助け・・・

京田辺市で同志社大の学生が「地域通貨」導入の実験を始めた。開校して十六年がたつ同大京田辺キャンパスだが、地域に十分溶け込んだとは言えず、学生と地元は疎遠になりがち。お互いの善意や思いやりを交換し合う地域通貨は、「近くて遠い」市民と学生を取り持つ橋渡し役として期待されている。

【一休にちなみ愛称「きゅう」 学生ら、導入目指し】

地域通貨は、サービスの交換などを独自の「貨幣」に置き換えて地域内で循環させる貨幣で、世界中で三千種が発行されているといわれる。

同大の郡嶌孝教授(環境政策学)のゼミ学生が、利用に向けて一昨年から研究を始めた。通貨の愛称は「きゅう」。晩年を京田辺で過ごした禅僧一休にちなんだ。今年二月から二カ月間の初実験には学生やNPO法人(特定非営利活動法人)のメンバーら計七十人が参加。「1きゅう」と「3きゅう」の二種類の紙幣千枚を発行した。

初実験の期間は、学生側が、お年寄りを車で送迎したり、高校生に受験勉強を教えたりした。市民側は料理や、お茶の接待などのサービスを提供した。三十分間当たりのサービスで「3きゅう」の「価格」だった。

京田辺市薪、主婦中野はる江さん(64)は「地域通貨を使えば、気軽に若者になんでも頼める。若者も教わることがあったと思う」と評価する。

六月下旬の二度目の実験では、通貨を紙幣型から通帳型に変更し、どのようなサービスを利用したかを記録するようにした。貨幣の流通を促す学生コーディネーターも置いた。今月からは大学構内で、学生、市民が地域通貨を使い、交流する場として講習会を始めた。

導入を進めるゼミ生代表の杉岡秀紀さん(22)は「街づくりには学生と市民が顔の見える関係が必要。通貨はそのきっかけで、いずれは通貨を必要としないコミュニティーにしたい」と話している。


Back