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産経新聞 2002/12/15
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インサイド播磨
【住民間の善意を循環 】

オークション盛り上がりも「利用低迷」克服に課題

加古川商議所などがエコマネー

ボランティアやちょとした日常の頼みごとなどの対価に使う地域限定の通貨「エコマネー」。「エコロジー(環境)」「エコノミー(経済)」「コミュニティー(地域)」の意味が込められ、全国各地で住民グループなどが発行する。加古川市と加古郡でも、実験段階だが、加古川商工会議所青年部などでつくる「加古川エコマネー実験研究会」が、エコマネー「りば」を発行している。現状と課題を探った。

エコマネーの考えが提唱されたのは平成九年。住民間の善意をつなぐ試みとして注目され、国内では、検討・実験中を含めて約百地域で導入されている。県内では「りば」のほか、姫路市の「千姫」、宝塚市の「ヅカ」などの実験が行われており、兵庫は取り組みが進んでいるという。

加古川エコマネー実験研究会の金沢孝事務局長は、「加古川の"川"と、昔の人間的な"人と人のつながり"をリバイバルしたいとの思いから「りば」とした」と話す。

同研究会は昨年十一月から今年二年まで「りば」の流通実験を実施。「1000りば」「500りば」の二種類を発行した。

期間中、公民館や会議所などのホームページで、実験登録者(会員)を募集したところ七十一人が応募。その際、「ピアノを教えます」など自分のできること、「パソコン教えてください」などやってほしいことをメニューリストに記入した。

会員は「1000りば」四枚、「500りば」五枚のほか、各種サービス(計二百四十五件)の載ったメニューリストを受け取り、リストから希望のサービスを選び、対価として「りば」を支払う仕組み。また、地元の商店街などの「エコポイント取扱店」に買い物袋を持参すると、スタンプが押され、「1000りば」と引き換えられる制度も導入した。

実験の結果、会員七十一人のうち利用者は十二人にとどまり、あまり芳しくなかった。「サービス提供者ばかりが多くなって、サービスを受ける人が少なかった」と会は分析する。

先月、地元の兵庫大学の学園祭行事の一環として、「りば」を使ったオークションが行われた。利用が少なかった第一回実験の反省から、同大学の協力を得て広くPRするのが狙いで、「1000りば」三枚「100りば」二十枚が配られた。

当日は「草刈を手伝う」「イベントを盛り上げる」などのサービスや、クリスマスケーキや有機栽培野菜の交換券などの品物が出品された。会場では、「100りば」「500りば」「もうひと声」などと活発な競りが行われ、盛り上がったという。

同研究会では、前回実験の要領で、一月末まで流通実験を行い、課題などを精査。さらに来年末の第三回実験で、本番をスタートさせたいとしている。

しかし、家族や仲良しグループなど、利用者が限定されているのが現状だ。「今後は新しいつながりを広げ、いかに「りば」の流通量を増やしていけるかがポイントだろう」と金沢事務局長。

エコマネーはボランティアや、ちょっとした助け合いなど、住民の善意を循環させることができる。いわば、人と人を結ぶツールであり、それがコミュニティー活動の活性化につながる可能性を秘めている。

(益岡光徳)


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